文の文法構造が複雑化するからです。 よって、より高度なレベルの英単語を覚えなくてはいけませんが、それを覚えてもなお読めない場合は、文法構造を把握する力、いわゆる英文解釈力を養う必要があります。 この英文解釈力をつけるのにちょうどよい参考書が「ポレポレ」という参考書になります。 このページでは、赤門アカデミーでのポレポレを使った音読と和訳による英文解釈の勉強法について解説していきます。 我々と一緒に勉強しようがしまいが、この参考書は良問ばかりなので、是非こちらのページを参考に自分の勉強にも取り入れてみてください。

ポレポレに入る前に

ポレポレはかなり難易度の高い参考書です。 よって、ある一定以上のレベルに達する前に取り組んでも訳がわからず難しく感じて終わるだけです。 具体的に申し上げると、
  1. 旧センター試験レベルの英文法が網羅できている。
  2. 共通テストの英語リーディングが8割以上
  3. システム英単語(4章、5章も含む)もしくはそれと同等の英単語帳の単語がわかる。
この3つの条件がクリアーしてから取り組むのが良いでしょう。 順番に解説していきます。

英文法について

まず、英文法の成績が旧センター試験において、8割以上文法問題を正解することができるレベルに達していないといけません。 これは、実際に旧センター試験の問題を解いてみ判断しても良いです。 また、赤門アカデミーで使っている、「英文法・語法ベスト400」という問題集がちょうどセンターレベルにあたります。 このベスト400の問題400問全て和訳と理由も含めて瞬時に答えることができるレベルであれば大丈夫です。 どうして、英文法の力がある程度必要なのかというと、解説がわからなくなるからです。 ポレポレでは、かなり文法構造が複雑で難解な文章を取り扱います。 そして、その文法構造についての解説は全て文章で書かれています。 この文章を読んでどのようなことが書かれているのか、どのような文法事項が使われているのか理解できなければ勉強になりません。 よって、解説を理解するために、英文法の力はある程度必要になってくるのです

英語長文について

英語長文についても、共通テストの英語リーディングで8割以上得点することができる実力が必要です。 そもそも、ポレポレという参考書は先ほど申し上げた通り、共通テストレベルの長文問題は余裕だが、それより上位のものになるとたちまち読めなかったり、読むのが遅くなってしまう人のための参考書です。 まずは、シンプルな文章でも良いので、スラスラ読める力がないと、ポレポレをやる以前のどこかの部分で障害が生じ、ポレポレが何の役にも立ちません。 背伸びをして難しい問題をやりたくなる気持ちも当然わかります。 しかし、あまりに自分のレベルからかけ離れたものに手を出すと、一問一問こなすのに時間がかかってしまい、自分のモチベーションも下がってしまうでしょう。 実際に、マーク模試や過去問、共通テスト予想問題集などを何回か解いてみて、8割以上安定的に得点することができているということを確認してからポレポレに手を出しましょう。

英単語について

システム英単語や、target1900の解説ページでも申し上げましたが、英単語というのは英語の勉強において、最も基礎的な分野になります。 よって、何か英文法や英語長文、英文解釈などの問題集に取り組む場合は、そこで出題されるレベルの単語をあらかじめ網羅しておくことが大切です。 ポレポレは、東大や早慶など難関大学の文章がたくさん出題されています。 よって。基本的にシステム英単語の4章(早慶レベルの英単語)や5章(多義語)のものを暗記し終えていないと、かなり効率が悪くなります。 実際に、ポレポレに収録されている英文にはかなり難解な単語も含まれています。 これらをいちいちその場で初めて出会い、その都度覚えるのはかなり大変で非効率的です。 もちろん、シス単などでは網羅しきれていない部分もあります。 しかし、せめてシス単のものくらいはすべて覚えておかないと、単語の暗記だけで勉強時間のほとんどが占領されてしまいかねません。 英単語もポレポレレベルのものはしっかりと暗記し終えている必要があるのです

赤門アカデミーのカリキュラム

では、実際に赤門アカデミーでは、どのようなカリキュラムを経てポレポレに到達するのでしょうか? もちろん、ポレポレにそろそろ入ることができる実力があり必要性があれば、いきなりポレポレを案内することはあります。 しかし、今回は我々の英語のカリキュラムを初めて初期段階の人が、実際にどのテキストを使い、合格したらポレポレに取り組むことができるのか解説していきます。   まず、単語は基本的にシステム英単語の単語を1から4, 5章まで全て覚え切ってからになります また、大抵の場合、このような生徒は長文や文法が条件を満たすまでに時間がかかるので、2冊目としてtarget 1900も終了している場合が多いです。 そして、target 1900から始めた場合は、少し単語が不足してしまうので、先にシス単の4章だけ最低限取り組んでからポレポレに入ります。   英文法については、まず最初に初期段階の勉強として「安河内の新英語はじめからていねいに」を参考書として、「東進英文法レベル別問題集lv.2, 3」を行います。 これは、高校1年生レベルの問題集で、高校英語に必要な英文法の基本事項を全て学ぶことができます。 この次に、先ほど申し上げた「英文法・語法ベスト400」という問題集に取り組みます。 この問題集の文法問題400問全てを網羅するためにおよそ2周ほどするとちょうど英文法としてはポレポレに入る準備ができたことになります。   最後に英語長文のカリキュラムについて説明しますが、問題集の量はかなり多いです。 まず最初に英語長文のカリキュラムでは、「ハイパートレーニングレベル1」に取り組みます。 これは、新しく高校1年生が英語長文の勉強する、もしくは中学生が中学英語より一段難しい問題に取り組みたい場合に使う英語長文問題集です。 その間に、人によっては、「東進英語長文レベル別問題集lv.3」をやります。 e これは、ハイパートレーニングレベル1と同じくらいかそれより少し難しい長文が入っています。 次に述べる「ハイパートレーニングレベル2」の橋渡しのための問題集です。 カリキュラムに余裕があったり、英語が少し苦手でいきなりハイパートレーニングレベル2に進むのが厳しい人が取り組む問題集なので、必須というわけではありません。 そしてこの問題集を終えると、センター試験および共通テストレベルの問題集になる「ハイパートレーニングレベル2」に取り組みます。 さらに、これは必須ではなく推奨レベルですが、ハイパートレーニングレベル2を終えるたあとには「東進英語長文レベル別問題集lv.4」に取り組む人もいます。 このように2~4個の長文問題集をこなした後で、さらに8回ほどセンター試験の演習をします。 この演習で安定的に8割以上取ることができれば、ようやくポレポレに入ることができるのです。 このように、英単語帳が1~2冊、英文法が3冊、英語長文が2~4冊もこなさなければポレポレに取り組むことができるだけの実力がつかないのです。

ポレポレとは

いよいよポレポレという参考書自体の解説に入っていきます。 ポレポレの構造は至ってシンプルです。 文法構造が複雑な単一の文または、複数な文からなる例題が50題あります。 この例題1つ1つに和訳と読解プロセスという文法構造の解説がついています。 ハイパートレーニングとの違いは、文法構造が図に書かれておらず、文章として解説されているということです。 文章として解説されているので、図よりも情報量が多く、どうしてそのように解釈するのか理由までしっかり書かれています。 しかし、ひと目で文法構造を把握しにくいというデメリットがあります。 よって、この読解プロセスに書かれている情報を、ハイパートレーニングの徹底精読のように、自分で文の中に書き込んでいく必要があります。 こちらについては後ほど説明していきます。

ポレポレの勉強法

続いて、ポレポレの赤門アカデミーでの勉強方法について解説していきます。 ポレポレの勉強方法は以下のようになっています。
  1. ポレポレを自力で和訳してみる。
  2. 読解プロセスを読む
  3. 文法構造を図示する。
  4. 口頭で音読と和訳を繰り返す
通常ポレポレの演習では、1週間ごとに50例題あるうち10題ずつ進めていきます。 この1週間で出される10題に対して、 この4つのステップに分けて勉強法を解説していきます。

ポレポレを自力で訳してみる。

まずは、ポレポレを自力で訳してみましょう。 この際注意すべきなのは、あまり時間をかけすぎないことです。 5分考えて、文法構造がわからず訳せない問題は飛ばして読解プロセスや訳例を見ても大丈夫です。 また、わからない単語がある場合は、それを今後覚えておけば良いだけなので、辞書で引いたり調べたりして答えても大丈夫です。

読解プロセスを読む

和訳ができたら、訳例や読解プロセスなどを見てあっているかどうかの確認をしましょう。 ただ、訳例のような綺麗な日本語になっていなくても大丈夫です。 あくまでも、一つ一つの単語の訳があっており、文法構造の認識が正しいかどうかを確認するための問題集なので、綺麗な日本語の表現や意訳などにはこだわりすぎなくても良いです。 読解プロセスも併せて読み、単語の最低限の意味と文法構造の認識に間違いがないかを確認しましょう

文法構造を図示する。

ポレポレの中身の説明の際にも述べましたが、ポレポレにはハイパートレーニングの徹底精読のような文法構造がわかりやすく図示されたものが存在しません。 その代わりに読解プロセスの中で文章で解説しています。 ただ、後に行う音読と和訳の反復練習において、自分の文法構造の認識が正しいかどうか確かめる際に、いちいち読解プロセスを読み返していては時間がかかります。 さらに、読解プロセスで自分が読んだことを一度英文に図示することによって、より定着しやすくなります。 やり方としては、まずはノートに英文を書き写すか、コピーを切って貼りましょう。 そこに、ハイパートレーニングの徹底精読のように英文中にSやVなどの文法的な構造を書いていきます。 ちょうど以下の図のようにやってもらうと良いと思います。  

口頭で音読と和訳を繰り返す

ここまでできたら、いよいよハイパートレーニングと同様に音読をしていきます。 ポレポレをやり始める段階では、ほとんどの生徒さんにとって英文のレベルが1段、急に上がった感覚があると思います。 よって、これまでハイパートレーニングでやっていた音読の練習よりもより緻密に何度も反復していく必要があります。 そして、音読をした直後に口頭で和訳するということがより一層大切になります。 音読をして直後に口頭で和訳をすると、音読時に文法構造についてしっかりと把握しながら音読できているかどうか確認することができます。 具体的に申し上げると、もし音読をしてその直後に訳そうとしたときに、訳す順番で迷ってしまうようでは、音読時に文法構造へ意識を向けられているとは言えません。 文法構造を訳す直前に全て把握してしまってさえいれば、詰まることなく訳すことができます。 最初は、難しいかもしれませんが、1日3~5回ずつ1文、1文練習することによって、音読をした直後でも素早く訳すことができます。 逆にいうと、音読をした直後に訳したときにつまらずに訳すことができるようになるまで練習し続けるということが大切です。 この音読をしてから和訳をするという最後のステップが一番大切で、この勉強をしているときに英文解釈力が伸びます。 1~3ステップ目はあくまでもこの音読のための準備に過ぎないので、この音読に時間をかけましょう。

1週間の中の時間配分

1週間の中で以上4つのステップを例題10題分こなすには、どのようなペースでやっていけば良いのか説明しておきます。 先ほども申し上げた通り、ポレポレの勉強法の4つのステップの中で、最も大切なものは4ステップ目です。 この音読と和訳に全ての例題において均等に時間をかけておきたいのです。 そのためには、宿題の範囲全ての例題に対して、1~3ステップ目までを2日で終わらせる必要があります。 残りの5日間で、ひたすら毎日音読と和訳の練習を繰り返します。 1日あたり全ての例題に対して、3~5回程度が良いでしょう。 1~3ステップまでをダラダラやってしまうと、音読と和訳の練習時間が取れず、例題によって出来にばらつきがついたり、勉強の質が落ちてしまいます。 4つ目の音読と和訳に時間をかけるために、1~3ステップ目までの勉強はなるべく早く済ませましょう。

ポレポレのテスト

最後にポレポレを使った指導でのテスト方法について解説していきます。 基本的にポレポレのテスト方法はハイパートレーニングと変わりません。 1週間で勉強してきた例題のうちランダムに3~5個選びだして、音読をしてもらいます。 ハイパートレーニングのテストと異なる点は、1文ごとの音読と和訳になります。 ハイパートレーニングは長文問題集で、文章が長いので段落ごとに音読をして、ランダムに文を選んで和訳してもらいます。 しかし、ポレポレは短いというのと、どれも文法構造が複雑で訳すことができるかどうかが大切な文になります。 よって、ポレポレの音読のテストでは、1文ごとに音読をして、すぐに和訳するというのを繰り返します… この音読や和訳が素早くできるかどうかがポイントになります。 先ほども申し上げた通り、特に和訳の順番に迷ってしまったり、訳すときに英文を読み返しているようでは、文法構造が音読時に把握できていないことになります。 これではポレポレをやっている意味がないので、素早く和訳できるように家でしっかりと練習をしましょう。 また、最後に例題ごとに理解の確認のため文法的な質問をします。 スラスラ訳せはするが、文法的な質問に答えられない場合には、単に和訳を覚えているだけの勉強になってしまっている可能性が高いです。 確かに、和訳自体を暗記してしまえば仮に文法構造を全く把握しなくとも、素早く訳すことができてしまいます。 練習では1日に何度も音読をし和訳をするので自然と覚えてしまうのは仕方がありませんが、根拠とともに頭の中に入っていることが大切です

まとめ

以上が、赤門アカデミーでのポレポレの勉強法になります。 ポレポレはかなりレベルの高い参考書なので、まずは自分がポレポレを使いこなせるかどうか確認しましょう。 目安は、システム英単語すべての単語と共通テスト8割以上です。 また、ポレポレでは、音読とその直後の口頭での和訳が非常に大切です。 文法構造を意識して音読することと、そのチェックのために、口頭で詰まることなく和訳することができるかどうかということをしっかりとチェックしましょう。 この記事の勉強法を参考に実力がある人は是非ポレポレでの勉強を試してみてください。  ]]>

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