英作文は、必要とされる大学は少ないですが、東大・京大をはじめとする難関大学では必須になってきます。
また、多くの人が苦戦する分野でもあります。
英語長文がいくら得意でも、英作文の対策を1からやらないと、得点できないケースが多いです。
このページでは、赤門アカデミーの英作文のカリキュラムと指導方法について解説していきます。
英語長文と英作文は別物
まず、英語長文と英作文は別ものであるということをしっかり認知しておくことが大切になります。
英語の文章がいかに素早く理解できても、自分の思った内容を英語にして文章化するには、別の訓練が必要になります。
正しい文を見て意味を理解するのと、伝えたい内容を正しい文にして言語化するということは、ただ逆の操作のように見えて、実は全く違った頭の使い方をします。
なので、実際に英語長文がかなりできるからといって、英作文を侮ってはいけません。
帰国子女などのよほどの例外をのぞいて、ほぼ全員1から対策していくことになります。
英作文の対策を始める前に
次に、どの段階に達してから英作文の対策を初めていくのかについて解説していきます。
英作文を始めるにあたって必要な英語のレベルはそこまで高くありません。
せいぜい、センター8割以上得点できるレベルになっていれば英作文の対策を始める力は十分あります。
ただ、センター演習が終わってすぐに対策を始めるというわけではありません。
というのも、センター演習が終わったら、難関大レベルの長文と文法の対策が必要だからです。
英作文が必要な大学はほぼ難関大なので、長文も難関大レベルになっていないといけません。
基本的にどの大学も英作文よりも長文の方が配点が高い傾向にあります。
なので、先に長文と文法を難関大レベルに上げておく方が優先度が高いのです。
具体的には、「ハイパートレーニングlv3」と「ポレポレ」を終了していることが必須条件になります。
また、さらに入試まで時間の余裕のある生徒さんには「東進英語長文レベル別問題集lv5, 6」、「全解説頻出英文法・語法問題1000」を先に終わらせてから英作文の対策に移ります。
このように、ある程度長文と英文法のレベルを引き上げてから、英作文の指導をスタートさせていきます。
しかし、入試の本番までに時間が無かったりする場合は、英語長文や文法の難関大対策と同時並行で行っていく場合もあります。
この英作文の指導開始時期については、生徒さんの現状や志望校と相談しながら決めていくことになります。
使用する参考書
次に、英作文の指導で使用する参考書や問題集をご紹介します。
まず、英作文の指導で一番最初に使用するのが、「ドラゴンイングリッシュ」です。
これは、100個の構文が載った参考書です。
まず、英作文をするにあたって、0から英文を作るのはかなり難しいです。
なので、100個の構文がしっかり書けるように覚えてもらうのです。
英作文の対策は、この100個の構文を覚えるドラゴンイングリッシュから始まります。
次に使うのが、「キムタツライティング&グラマー」です。
これは、東大英語対策となっていますが、基本的にどの大学でも和文英訳や自由英作文の対策に大いに役に立ちます。
これで、単文や短い文章であればだいたい書けるようになります。
次に、自由英作文の対策になります。
自由英作文は和文英訳と異なり、80語程度の短いまとまりのある文章を作らなければいけません。
次は、自由英作文の文章全体の型をしっかり身につける必要があります。
これで使うのが、「東大英語総講義」です。
東大志望者はもちろん使うのですが、東大志望でなくても、この参考書の英作文の部分は大いに役に立ちます。
なので、他の大学志望者もこの総講義の英作文のところを一緒に取り組んでいく形になります。
あとは、過去問を用いて各大学の出題形式にあった英作文が書けるような練習をしていきます。
英作文の指導方法
次に英作文の指導方法、について説明していきます。
英作文のカリキュラムには以下の3つの段階があります。
- ドラゴンイングリッシュで構文を暗記
- キムタツライティング&グラマーでの対策
- 東大英語総講義+過去問で自由英作文の対策
順番に説明していきます。
構文暗記
まず、一番最初に行う対策はドラゴンイングリッシュによる構文暗記です。
そもそも、英作文をいきなり初めて正しい文が作れる人はほぼいません。
簡単な和文英訳ならともかく、自由英作文などでは自分のいいたいことを英語に直して表現しなければなりません。
普段の日本語はあきらかに英語よりも抽象度の高いことを考えているので、自ずと言いたいことを英語に直そうとすると、かなり複雑な文になり、英語に直しにくくなってしまいます。
ドラゴンイングリッシュによる構文暗記には目的が二つあります。
一つは、100個の英語の例文を頭に叩き込んでおくことで、今後英作文を書くときの文の型にすることです。
言いたいことから英文を1から作るのではなくて、自分の覚えた構文の中から使えそうなものを引っ張り出してきて、その構文の単語を少し変えるだけで、英文を作る方がはるかに楽なのです。
今後英文を作っていく型となるものを自分の中にストックしてもらいます。
もう一つの目的としては、言いたいことをそのまま英訳するのではなく、簡単な日本語に直してから英訳するという思考過程を自分の中に作ることです。
英作文ができない人がよくやりがちな方法は、言いたいことを難しい日本語で考えてそのまま英訳してしまうことです。
先ほども申し上げた通り、普通の高校生は日本語の方がより高度な言葉を思いつくことができます。
その高度な日本語をそのまま英訳するのはかなり難しいです。
しかし、一度英語に直しやすい簡単な日本語に変えてから、英訳するというステップを挟むとかなり英語が書きやすくなります。
ドラゴンイングリッシュでは、各構文に、どのようにして簡単な日本語に直してそれを英語に変換するのかというステップが細かく解説されています。
構文だけでなく、この思考過程も一緒に覚えることによって、実際に自分が英作文を書くときに簡単に英作文が書けるようにしていきます。
なので、構文だけ覚えるだけでは、先に進めないように指導をしています。
キムタツライティング&グラマーによる対策
次の対対策では、「キムタツライティング&グラマー」を使用していきます。
キムタツライティング&グラマーは、主に東大の英作文に当たる第二問と、文法問題に当たる第4問Aの対策ができる参考書です。
東大志望出ない人は、主に前半の英作文対策の部分を使います。
これを使って、実際に自分で短い単文を作ってみたり、30~50語程度の自由英作文を作る練習をしていきます。
今度は、ドラゴンイングリッシュで身につけた、構文と、日本とを簡単なものに直して英語にしていくというプロセスを実践的に行う練習です。
このとき、取り組むのが、添削と模範解答の暗記です。
英作文の上達には他人に自分の作った文章をみてもらって添削してもらうことが必要不可欠です。
なので、指導の中で必ず添削をして、おかしな表現があれば修正していくということをします。
そのほかに、模範解答の暗記をしていきます。
今までは、構文という1つの文の型を暗記しましたが、今度は文章レベルでの型を身につけるために、模範解答一つ一つを暗記していきます。
そして、実際に自分がさも書いているかのように暗記した文章を書いていきます。
これによって、文章としての型がいくつかストックされるのです。
なので、間違った英語に対して違和感を覚えやすくなります。
この対策は、あまりやっていない人が多いですが、必ず模範解答は出来るだけ暗記するように指導しています。
自由英作文対策
次に本格的な自由英作文の対策に移っていきます。
まず、自由英作文を書くときは自分の意見を問われる場合が多いです。
そのときに、自分の意見を正直に書くのではなく、書きやすい英文を書くというのが重要になってきます。
また、実体験を問われることも多いですが、本当の実体験でなくても答案作成者には絶対にバレないので大丈夫です。
このような、より過去問に近い実践的な訓練をここではしていきます。
また、意見を述べる際の文章としてのまとめ方などもある程度長い自由英作文でないと対策ができません。
この対策に使うのが、東大英語総講義と過去問になります。
東大英語総講義で、実践的な技を吸収して、過去問演習で自分の志望校の大学の英作文の形式で実践していくという対策になります。
この際も添削と模範解答の暗記が大切になります。
特に、模範解答の暗記は自分の志望校の出題形式にのっとった文章を暗記することになるので、かなり有効な対策になります。
最終的にはたくさん問題演習を行う!
英作文の対策が過去問までいってある程度の文章が書けるようになってきたら、問題になってくるのは、本番に書くことがパッと思いつくかどうかです。
自由英作文は文字通り自由なので自分で書くことを思い浮かべなければなりません。
なので、できるだけ本番の入試で早く書くことが思いついた方が英語の試験時間を有効的に使えます。
これは、たくさん問題をこなして、訓練していくしかありません。
なので、余裕がある生徒さんには過去問演習まで行ったら、できるだけ多くの問題を解いてもらって、添削していきます。
また、同じ問題でも2パターンの英作文を作ってみたりという対策も有効です。
このような訓練を積んでおけば、書くことが思い浮かびやすくなる上、自分の大学以外の過去問にも触れておけば、似たような問題が出題されるケースもあります。
なので、できるだけ早く書くことが思いつくよう、余裕のある生徒さんにはとにかくたくさん問題を解いてもらいます。
また、試験時間を有効に使うためのもう一つの小技が、英作文の問題を先に読んでおくということです。
英作文の問題を先に読んでおけば、書くことが思い浮かばない場合でも、頭の片隅においておいて、先に他の問題を解くことができます。
他の問題を解きながら、「あ、この内容で書けるな!」と急に思い浮かんだりもするものです。
試験時間を有効に使うために、自由英作文がある大学の入試問題は自由英作文の問題をあらかじめ読んでおくようにと指導しています。
まとめ
以上が、赤門アカデミーの英作文のカリキュラムと指導方法になります。
英作文は、帰国子女でもない限りほとんどの人がしっかりと対策していかないと上達していきません。
一つ一つの対策を地道にクリアーしていってこそ本番でさらっと良い英文が書けるようになるのです。