赤門アカデミーの世界史

世界史は、
一周で終わらせない。

世界史は範囲が広いため、一つひとつの用語で立ち止まっていると、いつまでも全体像が見えません。最初から完成させるのではなく、読む目的を変えながら何度か通り、最後に論述と過去問へつなげます。

このページで一番伝えたいこと通史が終わらない人が、とても多い教科です。早めに通史を一周させることを意識して勉強することが、世界史では何より大切になります。

始める位置を決める

逆算すると、通史のデッドラインが決まります。

世界史をいつ始めるかは、学年では決まりません。決まるのは、志望校の出題形式と、英語・数学の進み具合です。ただし、逆算していくと動かせない時期が出てきます。

  1. 国立大学の記述は、高3の5〜6月ごろから少しずつ

    いきなり長い論述を書くのではなく、学習済みの範囲の短い説明から始めます。

  2. 志望校の過去問は、遅くとも9〜10月には本格的に

    可能なら7〜8月から少しずつ触れておくと、より安全です。

  3. だから、通史を一通り理解しているデッドラインは夏から秋

    ここから逆算すると、始める時期が決まります。

世界史は、全体像が見えるまでにおよそ6か月かかります。この期間から逆算すると、難関国立大学を目指す場合は、高校2年生の秋から冬に始めれば間に合う計算になります。実際、赤門アカデミーで世界史の指導を始めるのも、この時期が多くなっています。

※ これは一つの指導例です。英語・数学の進度、選択科目、学校の授業を見れば、開始時期は前後します。開始が遅くなった場合は、通史の完成を待たずに記述を始めます。

過去問は、最初は解くためではなく、見るために開きます。

同じ世界史でも、大学によって問われ方がかなり違います。長い論述がある大学、近現代に偏る大学、用語の知識を重ねて問う大学では、必要な練習が変わります。早い段階で一度見ておくと、通史の読み方そのものが変わります。

最初に確認すること

  • どのくらいの長さで書かせるのか
  • 時代と地域が、どのように区切られているのか
  • 教科書の知識を、どう使わせるのか
  • 共通テストの勉強だけでは足りない力は何か

教科書を読めるようにする

社会の指導ですが、やっていることは現代文に近いです。

勉強を始めたばかりの人に「教科書を読んで覚えてきて」と言っても、うまくいきません。そもそも、最初の段階では教科書の読み方が分からないからです。

そこで、範囲を決めて読んできてもらい、どこを重要だと思って読んだのか、どういうところを重視したのかを、講師と受講生でお互いに擦り合わせます。

読んだ範囲について確認すること

  • 何が起きたのか
  • なぜ起きたのか
  • その結果、何が変わったのか
  • 前後の出来事と、どうつながるのか

最初から教科書の要点までつかめる人は多くありません。社会の教科書は情報量が多く、どの記述が重要なのかも最初は分かりにくいからです。文章を読んで要点をつかみ、重要な部分とそうでない部分を区別する力が必要になります。

指導の考え方社会を教えているのですが、実際には現代文に近いことをしていることがあります。用語を何個知っているかより先に、教科書に書かれていることを理解できているかを見ます。

いつまでも講師が横について読み方を指示するわけではありません。最初は一緒に要点を確認し、次第に自分で教科書を読み、学習計画を修正できるようにしていきます。講師がいなくても自分で世界史を進められる状態を作ることが、最初の目標です。

学校の授業を活かす

学校に良い先生がいるなら、その授業を積極的に受けてください。

世界史では、学校の授業そのものを受験勉強の一部として使えます。先生の説明を聞くこと自体が、時代や出来事のイメージを作るのにかなり役立つからです。学校には、世界史を分かりやすく教えてくださる先生が数多くいます。

赤門アカデミーで同じ内容の講義をもう一度受ける必要はありません。学校と塾で同じ内容を何度も受けることが、合格への近道とは限らないからです。

世界史の場合、学校との関係は時期によって変わっていきます。

  1. 学校の進度についていく

    授業で一度理解する。学校の問題集や小テストがあれば、それも使います。

  2. 自習が学校の進度に追いつく

    通史を自分で進めるうちに、授業と同じ範囲を扱うようになります。

  3. 自習の進度が学校より先になる

    ここから、授業の聞き方が変わります。

  4. 学校の授業を、確認と理解を深める機会に使う

    一度読んだ範囲を先生の説明で聞き直すと、教科書だけでは分からなかった部分が埋まります。

指導の考え方赤門アカデミーの役割は、すべてを教えることではありません。その人に何が必要で、何が不要かを判断することです。理解できている範囲について同じ説明を繰り返すことはせず、答案や過去問、学習計画を確認し、その時点で必要なところに指導時間を使います。

通史を、目的を変えて繰り返す

3回読めば完成、という意味ではありません。

まず古代から現代まで、端から端まで通します。用語の暗記で立ち止まりすぎず、最後まで進むことを優先します。そのうえで、読む目的を変えながら繰り返します。

  1. 地図を広げる

    どの時代に、どの地域の話があるのかを知ります。数日に分けて教科書を2〜3回読み、まず最後まで到達します。

  2. 線をつなぐ

    出来事の前後関係や、地域同士のつながりを見ます。学校のワークや一問一答で確認しながら進めます。

  3. 理由を考える

    ワークを8割ほど覚えた状態で、教科書の因果関係や要点を押さえていきます。共通テストレベルで6〜7割を一つの目標にします。

時間の目安約400ページの教科書を、1ページあたり合計10分かけて読むとすると、およそ65時間です。1日1時間なら、2か月とすこし。ここまでを、世界史を始めてから6〜7か月程度で達成することを目指します。

※ 東大のように社会が2科目必要な場合や、英語・数学の課題量によっては、世界史に1日1時間を確保できないこともあります。1日30分になる場合もあります。他の科目との兼ね合いを見て、期間のほうを調整します。

政治、経済、文化の順に見ます。

最初は政治、経済、文化という順で整理することがあります。ただし最後は、それぞれを別々に覚えるのではなく、互いにどう影響したのかを見ます。

文化史も同じです。作品名や人物名だけを切り離して覚えようとすると、単純な暗記になります。

たとえば戦後の日本で考えるとカラオケやアニメといった大衆文化が生まれる前に、戦後の独立があり、経済発展があり、都市化と生活の変化があります。文化は、その後に来ます。因果関係の最後の部分だけを先に細かく覚えると、始まりのところが抜けたままになります。

続けるための工夫も、指導の一部です。

世界史は範囲が膨大なので、途中でやる気を失いやすい教科です。だからこそ、目標を達成しながら、自分に合った勉強法を見つけていくことが大切になります。方法は本当に人それぞれです。

これまでに塾生さんが使ってきた方法

  • 読んだ範囲について、お父さんと確認し合う
  • 声に出して読む
  • マインドマップを書いて整理する

※ 教科書で読んだことを人に話すと、知識が整理され、分かっていない部分にも気づきます。保護者の方には、教材や予定の管理役より、話し相手をお願いしています。

参考書は、補うために使う

良い参考書と、全部やるべき参考書は違います。

「ナビゲーター世界史や実況中継のような講義系参考書は使わないんですか」と聞かれることがあります。これらが悪いわけではありません。説明が詳しく、教科書だけでは分かりにくいところを理解するには、とても役立つ教材です。

ただし、分量がかなり違います。

教科書(詳説世界史) 1冊 約400ページ
ナビゲーター世界史 4冊 合わせて900ページを超えます

全体の流れが見えていない段階から、細かな説明をすべて読もうとすると、重要な知識と補足の知識を区別できないまま進むことになります。最後までたどり着くだけでも相当な時間がかかり、英語や数学の時間を圧迫します。

以前あった例教科書の何倍もの分量がある講義系参考書を、教科書と併用しながら全4冊、最初から順番に読もうとした受講生さんがいました。読み終えるまでに、過去問や英数の時間がどれだけ残るかを考えずに選んでいたのです。

そのため、まず教科書で全体像をつかみます。学校の教材があれば併用します。そのうえで、理解しにくかった部分を講義系参考書で補います。この順番なら、詳しい説明を読んだときにも「これは教科書のこの部分を詳しく説明しているんだな」と位置づけられます。

使うとしても、通して読むようにはお願いしていません。

教科書を進めているなら、ナビゲーター世界史は、分からないところを部分的に読むだけで十分です。巻末の別冊が各分野のレジュメになっているので、そこを見るという使い方もあります。

実際のところ、教科書とナビゲーターを本当に併用できる人は、そんなに多くありません。どちらかを優先する形になります。

通史の1〜2周目に、無理して読む必要はありません教科書を一周、二周する段階では、細部まで理解し、すべてを暗記することを目標にはしません。まずは、こういうものがあるんだな、という概略を頭の中に入れることを優先します。そのため、この時期に講義系参考書を足す必要は基本的にありません。ある程度知識が定着して、疑問点が出てくるようになってからなら、併用する価値が出てきます。

難関国立を目指すなら、2冊目の教科書という選択肢があります。

講義系参考書を読むより、別の出版社の教科書をもう1冊読むほうがよい場合があります。山川出版社の『詳説世界史』を読んでいる人が、同じ山川の『新世界史』を読む例が多くあります。帝国書院や東京書籍の教科書を使う人もいます。

教科書を2冊読み比べると、同じ出来事でも書き方や強調点が違うため、理解がかなり進みます。最難関大学を目指す場合は、こちらのほうがよいと考えています。そして教科書を2冊読むとなると、講義系参考書まで読む余裕はなくなります。

指導の考え方教科書と学校の教材で進められるなら、教材をむやみに増やす必要はありません。教科書に、必要なことが一番少ない分量でまとまっているからです。止まった箇所があれば、講義系参考書や動画授業でそこを補います。すでに使っていて本人に合っている場合は、そのまま使います。教科書を使うこと自体を目的にはしません。志望校の出題、現在の学力、受験までの時間を見て決めます。

書いて、戻る

教科書から過去問への一方通行ではありません。

教科書を読む。問題を解く。答案を書く。添削を受ける。足りなかった知識や考え方を、もう一度教科書へ戻って確認する。この往復を繰り返します。

過去問を解いて、中国近代史が弱い、因果関係が書けない、文化史だけ抜けている、と分かったら、そこだけ戻ります。年数を増やすことより、同じ読み違いが減っていくかを見ます。

過去問は、最初から年度一式で解くとは限りません。

7〜8月から少しずつ触れておく場合は、その年度をまるごと解くのではなく、特定の問題だけを抜き出して解きます。一問一答形式の問題だけを続けて解く、古代史の記述問題だけを複数年度まとめて解く、といった進め方です。同じ形式を続けて見ると、大学が繰り返し求めているものを比べやすくなります。

時間の目安過去問は15〜20年分を2〜3回は確認する必要があります。1年分を解いて復習すると150分ほどかかるため、20年分を繰り返すと、世界史だけで120時間前後になります。ここまで見込んでおくと、間に挟む教材を増やせないことが分かります。

※ 2回目、3回目は1回目より短くなります。上の数字は、2回目以降を2〜5割減として見積もったものです。社会を2科目使う場合は、この時間が2科目分必要になります。

論述は、過去問の前に問題集を1冊はさみます。

いきなり過去問へ入るのは、世界史ではリスクが高いと考えています。日本史なら、入れるようなら入ってしまうことをお勧めする場合もありますが、世界史はハードルが高くなります。そのため、論述の問題集を1冊はさみます。

問題集は各予備校から出ていて、どれもそれなりの完成度です。どれが一番優れているかという話ではないので、いまの状態と志望校を見ながら、相談して決めます。

東大の大論述は、9月には入りたい。

正直なところ、時期の見極めが難しい部分です。それでも、9月の上旬から中旬には入りたいと考えています。できれば8月中です。

ただし、そこまで一度も触れないという意味ではありません。少しずつ触れておくことのほうが大事です。高2の2月の東大同日体験受験で解いてみる。見て解けそうな余裕があれば解いてみる。そうした形で先に触れておきます。

直近の年度は、取っておいてください近現代が分からなくても、古代史なら解けることがあります。20年以上前の過去問から、古代史が出ている年度だけ解く。中世が得意ならそこだけ解く。そういう試し方であれば、通史の途中でも取り組めます。直近の年度は、力がついてから通しで解くために残しておきます。

最後は、自分で修正できる状態を目指します。

最初は、何を読むか、どこまで覚えるか、何を復習するかを一緒に決めます。ただし目標は、自分で教科書を読み、問題を解き、間違えた原因を考え、必要な範囲へ戻れるようになることです。

世界史をいつ始めるか、いまの進み方で間に合うかは、英語・数学の状況によって変わります。まずはご相談ください。

TOP